エルヴィス・コステロ(Elvis Costello) オリヴァーズ アーミー(Oliver’s Army)
エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズ名義で発表した3枚目のアルバム「Armed Forces」(1979)からのシングルカット曲。40万枚を売り上げ、全英チャートでは自己最高位の2位にランクインした名曲です。
それでは早速、独自に深読み・構築したストーリーを基にした、和訳と日本語詞をご紹介します!
歌詞と和訳
歌詞の解釈に関しては次項で行いますので、まずは歌詞と和訳をご覧ください。
Don’t start that talking
その話はやめておこう
I could talk all night
一晩中だって話せるから
My mind goes sleepwalking
僕の心が夢遊病になってしまうよ
While I’m putting the world to right
僕が世界を正している間に
Call careers information
採用情報に連絡しなよ
Have you got yourself an occupation ?
君は仕事を見つけたかい?
Oliver’s Army is here to stay
オリバー軍は永く駐留するんだ
Oliver’s Army are on their way
オリバー軍が進軍しているんだ
And I would rather be anywhere else
だから僕は、むしろ他のどこかに居たいんだ
But here today
でも今日もここに居る
There was a Checkpoint Charlie
チェックポイント・チャーリーがあった
He didn’t crack a smile
隊員は笑顔を見せなかった
But it’s no laughing party
しかし、それは笑い事ではなかった
When you’ve been on the murder mile
ひとたび「マーダーマイル」を通ってしまえば
Only takes one itchy trigger
一度は引き金を引きたい衝動に駆られるだけ
One more widow, one less white nigger
未亡人が一人増え、アイルランドのカトリック教徒が一人減る
Oliver’s Army is here to stay
オリバー軍は永く駐留するんだ
Oliver’s Army are on their way
オリバー軍が進軍しているんだ
And I would rather be anywhere else
だから僕は、むしろ他のどこかに居たいんだ
But here today
でも今日もここに居る
Hong Kong is up for grabs
香港はどうなるか分からない
London is full of Arabs
ロンドンはアラブからの移民でいっぱい
We could be in Palestine
僕らはパレスチナに行ってるかもしれない
Overrun by the Chinese lion
中国の獅子に圧倒されてしまう
With the boys from the Mersey
マージー川、テムズ川、タイン川出身の
and the Thames and the Tyne
少年たちも連れていかれる
But there’s no danger
しかし危険などありえない
It’s a professional career
これは単に専門職のひとつだ
Though it could be arranged
ただ、あれは手配出来るだろうね
With just a word in Mr. Churchill’s ear
チャーチルの耳元に一声かけるだけで
If you’re out of luck or out of work
それでもし君が運も仕事も失った時は
We could send you to Johannesburg
ヨハネスブルグに送り出す事だって出来るさ
Oliver’s Army is here to stay
オリバー軍は永く駐留するんだ
Oliver’s Army are on their way
オリバー軍が進軍しているんだ
And I would rather be anywhere else
だから僕は、むしろ他のどこかに居たいんだ
But here today
でも今日もここに居る
And I would rather be anywhere else
だから僕は、むしろ他のどこかに居たいんだ
But here today
でも今日もここに居る
And I would rather be anywhere else
だから僕は、むしろ他のどこかに居たいんだ
But here today
でも今日もここに居る
和訳解説~歌詞の深読みとストーリー
歌詞を見ると、ポップな楽曲とのギャップを感じる重いテーマである事が分かります。
コステロは1978年に訪れた地で、少年たちがイギリス軍の兵士として機関銃を持って歩いている姿に衝撃を受けたそうで、その事がこの歌詞を書くきっかけとなったそうです。
自身の祖父も若かりし頃、イギリス軍兵士として従軍し「オリヴァーズアーミー」と呼ばれていたと証言しており、それらの事から、政府の決定や社会的な状況に対する不満や抗議・特に若者たちが徴兵されて戦争に巻き込まれることに対する反感が表現されているとも言われています。
※このサイトでは、脈絡を持った和訳となるように、歌詞の裏にある意図を深読みし、ストーリーを構築させる事も目的としています。
まずは、ストーリー構築のポイントとなった、英語詞と日本語訳を解説していきます。
コステロはインタビューで、「冒頭の歌詞は、このような複雑なテーマについて書こうとすること自体の不条理を主張している」と語っています。これに鑑みて、「考え始めると終わりのない話で、出口が見えないから気持ちが徘徊してしまうよ」と解釈しました。
・While I’m putting the world to right~Have you got yourself an occupation ?→「私が世界を正している間に 職業紹介所に電話して 職業は決まっていますか?」と直訳されます。
当時のイギリスは、失業者が持つ唯一の現実的な選択肢が軍隊への入隊だったそうで、「職業紹介所に電話して 職業は決まっていますか?」とは、イギリス陸軍が16歳から入隊募集をしている文言を表しているそうです。
・Oliver’s Army→「オリバー」とは、1649年にアイルランドを征服した議会軍を、個人的に率いたイギリスの政治家オリバー・クロムウェルを指していると言われています。
ニューモデルアーミーと呼ばれる、旧軍制を一新した新たな軍隊の総司令官を務めた人物です。
・There was a Checkpoint Charlie~one less white nigger→「チェックポイント・チャーリー」とは、ドイツ・ベルリンが東西に分断されていた時代に、その境界線上に置かれていた国境検問所の事です。そこに笑顔は無かったと表現されるのも当然と思われます。
「マーダーマイル」とは、北アイルランドにある地域で、1970年代にプロテスタント支持者らが、日常的にカトリック教徒を路上から誘拐し、拷問や苦痛な死に直面させたという場所だそうです。
「ホワイトニガー」には、国や地域によっていろんな意味があるようですが、ここでは「アイルランドのカトリック教徒」を指しているそうで、そう呼ばれた背景には、北アイルランドの紛争があるとの事です。
・Hong Kong is up for grabs~Overrun by the Chinese lion→こちらは「帝国主義者の戦い」に言及していると言われているそうです。
・With the boys from the Mersey~and the Thames and the Tyne→「マージー川・テムズ川・タイン川」とは、イングランド沿岸の3つの最大人口集中地であるリバプール・ロンドン・ニューカッスルの川を指していて、この曲を書いた当時、これらの地域は経済的に低迷していて、陸軍が貧困層の少年たちに向けて、多くの人材募集を行った場所でもあるそうです。
コステロ自身も語っている通り、この歌詞のベースとなっているのは歴史的な事実で、それに基づいたものとなっています。
しかし、元々は包括的に政治的な曲になるように意図したものではないと説明しているようで、政治的議論のように聞こえるべきではなかった、とも語っています。
そんな事もあってか、コステロは今後オリヴァーズ アーミーをライヴで演奏するつもりはないそうです。寂しい限りですね…。
日本語詞を考え、歌ってみました
acocatriがいるアマチュアバンドマン界隈では、洋楽に自身で書いた日本語詞を乗せて、レパートリーとして歌っているミュージシャンが結構います。
そんな訳で今回、前項の和訳やストーリーを基に、自分の解釈で「OLIVER’S ARMY」のメロディに乗る日本語詞を考えて、それを歌ってみました。
もし、この日本語詞を自分もライブで歌いたい!なんて方がいらっしゃったら、是非ご活用頂きたいです!
それは君が
戦う準備を
してる姿だった
君の今は本来
あどけなく見えるのに
君は銃を肩にかけ
そっと歩き始めた
未来の入り口では銃を
捨てるため
国境を超える時
笑顔は封鎖された
そのつもりだって
悲劇の通りに告げた
狂った衝動を消して
目にする日常を消す事なく
君は銃を肩にかけ
そっと歩き始めた
未来の入り口では銃を
捨てるため
僕達は自分の
運命を委ねて
誰かに守られ
いつか誰かに見捨てられ
少年達にさえ
助け求めた
いつだって僕は
間違った説明を受け
過去の威光を
思い出話に出来ない人を知る
最終的な通告は
「君に自由などは無い」
君は銃を肩にかけ
そっと歩き始めた
未来の入り口では銃を
捨てるため
未来の入り口では銃を
捨てるため
未来の入り口では銃を
捨てるため
まとめ
いかがだったでしょうか?イマイチ内容が理解出来ない洋楽の歌詞も、意味の繋がる解釈を取り入れストーリーを構築する事で、脈絡のある和訳が成立する事を、ご実感頂けたのではないでしょうか。
ストーリーを踏まえて書いた日本語詞も、和訳と読み比べてみると面白いですよ。是非やってみて下さい!
acocatri(アコカトリ)の音源があります。
歌詞に関して、このような解釈をする人間が、自分の音楽の中でどんな歌詞を書いているのか、是非、聴いてみて下さい!
音楽配信サービスのサイトはこちら
2ndミニアルバム「真鼓動」
https://linkco.re/SSGAf99a
1stミニアルバム「世界」
https://linkco.re/TRfAUYQ0
YouTubeでも視聴出来ます
「真鼓動」
「世界」