アール・イー・エム(R.E.M.) ルージング・マイ・レリジョン(Losing My Religion)
アメリカのオルタナティブロックの雄が、7枚目に発表したアルバム「OUT OF TIME」(1991)のファーストシングルとしてリリース。
この曲は彼ら最大のヒット曲で、ビルボードホット100で4位を記録。
このヒットの波に乗り、アルバムは世界で1800万枚以上を売り上げ、バンドが一気にスターダムに上り詰めるきっかけとなりました。
2007年にロックの殿堂入り・解散後の2024年にはソングライター殿堂入り。ソングライター殿堂入りの際には、オリジナルメンバー4人が約30年ぶりに揃ってインタビューを受けました。
それでは早速、独自に深読み・構築したストーリーを基にした、和訳と日本語詞をご紹介します!
歌詞と和訳
歌詞の解釈に関しては次項で行いますので、まずは歌詞と和訳をご覧ください。
Oh, Life is bigger
人生は壮大だ
It’s bigger than you
君より遥かに巨大だ
And you are not me
そして君は僕ではない
The lengths that I will go to
僕はどこまで近づけるだろうか
The distance in your eyes
君の瞳の中にある距離へ
Oh no, I’ve said too much
ああ、言い過ぎてしまったけど
I set it up
僕が仕組んだ事さ
That’s me in the corner
あれが隅にいる僕だよ
That’s me in the spotlight
あれはスポットライトを浴びる僕さ
Losing my religion
冷静さを失っているんだ
Trying to keep up with you
君について行こうとしているけど
And I don’t know if I can do it
それが僕に出来るのかは分からない
Oh no I’ve said too much
ああ、言い過ぎてしまったようで
I haven’t said enough
まだ言い足りない位だよ
I thought that I heard you laughing
君の笑い声が聞こえた気がした
I thought that I heard you sing
君の歌声が聞こえた気がした
I think I thought I saw you try
君の挑む姿を見た気がした、そんな気がする
Every whisper
常にささやくんだ
Of every waking hour
起きている間ずっと
I’m choosing my confessions
正直に言ってみるよ
Trying to keep an eye on you
君から目を離さないようにしている
Like a hurt lost and blinded fool
まるで傷つき彷徨い盲目になった愚か者のよう
Oh no, I’ve said too much
ああ、言い過ぎてしまったけど
I set it up
僕が仕組んだ事さ
Consider this
これを考えてみるんだ
Consider this, the hint of the century
これは世紀のヒントなんだと考えてみるんだ
Consider this
よく考えてみるんだ
The slip that brought me
その過ちは僕を
To my knees failed
完全に打ちのめすのに失敗した
What if all these fantasies
もしこれらの幻想が
Come flailing around
じたばたとした混乱を巻き起こしたら
Now I’ve said too much
また言い過ぎてしまったよ
I thought that I heard you laughing
君の笑い声が聞こえた気がした
I thought that I heard you sing
君の歌声が聞こえた気がした
I think I thought I saw you try
君の挑む姿を見た気がした、そんな気がする
But that was just a dream
でもあれはただの夢だった
That was just a dream
あれはただの夢だった
That’s me in the corner
あれが隅にいる僕だよ
That’s me in the spotlight
あれはスポットライトを浴びる僕さ
Losing my religion
冷静さを失っているんだ
Trying to keep up with you
君について行こうとしているけど
And I don’t know if I can do it
それが僕に出来るのかは分からない
Oh no I’ve said too much
ああ、言い過ぎてしまったようで
I haven’t said enough
まだ言い足りない位だよ
I thought that I heard you laughing
君の笑い声が聞こえた気がした
I thought that I heard you sing
君の歌声が聞こえた気がした
I think I thought I saw you try
君の挑む姿を見た気がした、そんな気がする
But that was just a dream
でもあれはただの夢だった
Try, cry, why, try
試して、泣いて、疑問を持ち、試す
That was just a dream
あれはただの夢だった
Just a dream, just a dream
ただの夢さ、ただのね
Dream
夢さ
和訳解説~歌詞の深読みとストーリー
レコーディングスタジオのマネージャーだったイアン・キメットという方がいて、「このタイトルは米南部特有のフレーズで、怒りやフラストレーションを表す際に使うものだ、とマイケルに聞いたんだ」と語っていたそうです。
歌詞の内容に関して、マイケル・スタイプは「ポリスの『Every Breath You Take』が好きで、ああいう脅迫的な側面から恋愛を書いた曲って他には滅多にないと思うんだ。実は『LOSING MY RELIGION』を書いたのも、ああいう脅迫観念的な視点からもう一度、愛ってものを捉え直してみたいっていうのが発端だったんだ。」
「あの歌はよくある妄想の歌。別人になりたいと切望する人間を歌ってる。必要とされない愛の歌だよ。」と語っており、今回の和訳は、この発言を基に考えてみたものです。
※このサイトでは、脈絡を持った和訳となるように、歌詞の裏にある意図を深読みし、ストーリーを構築させる事も目的としています。
まずは、ストーリー構築のポイントとなった、英語詞と日本語訳を解説していきます。
想いを寄せる相手との、あまりに離れている感情的な距離と、この事への葛藤を表していると捉え、「私の人生経験の中で、私ではないあなたはその一部でしかないが、あなたが示す私との感情的な距離を、縮めるためなら何をするのも厭わない覚悟を私は持っている。そんな大げさな事を言うと、またあなたに距離を置かれる状況を作るだけなのに。」という表現だと解釈しました。
・That’s me in the corner~I haven’t said enough→「あれは隅にいる私 あれはスポットライトを浴びている私 信念を失いながら あなたについていこうとしている そしてそれができるかどうかわからない ああ、言い過ぎてしまった 十分に言えていない」と直訳されます。
さえないと自覚している自分が、相手にふさわしい人物になれるかどうか、その自信がない様子だと捉え、「分かってはいたけど、こんなに注目されない私だから、あなたに見合う人物になれる自信を失ってしまった。言いたい事は沢山あるんだけれど、言い足りない。」という表現だと解釈しました。
・I thought that I heard you laughing~I think I thought I saw you try→「あなたが笑っているのを聞いた気がした あなたが歌っているのを聞いた気がした あなたが努力しているのを見た気がしたような気がする」と直訳されます。
妄想と現実の中で、相手への記憶が果たして本当の出来事なのか否か、もはや区別がつかなくなった心理状態である事を表現している、と解釈しました。
・Every whisper~I set it up→「目覚めている時間のすべてのささやきで 私は告白を選んでいる あなたから目を離さないようにしている 傷ついて迷子になり盲目になった愚か者のように ああ、言い過ぎてしまった 私がそれを仕組んでしまった」と直訳されます。
起きている間ずっと、相手を想い相手に愛を囁きたい程に執着している自分は、叶わぬ恋に傷つき、それでも恋は盲目を体現する愚か者だ、という事を表現していると解釈しました。
・Consider this~Now I’ve said too much→「これを考えてみて これを考えてみて、今世紀最大のヒント これを考えてみて そのミスは 私を膝まずかせるのに失敗した もしもこれらすべての幻想が 乱れ飛んでくるとしたら 今度こそ言い過ぎてしまった」と直訳されます。
今までの自分の行為が正しかったのか、考えてみたところ、決定的で自分を完全にあきらめさせる要素が思いつかず、この妄想が今後も自分を制御不能で呑み込んでしまったらどうなるだろう、という不安を表していると解釈しました。
・But that was just a dream~Dream→「でもそれはただの夢だった 挑戦して、泣いて、問いかけて、挑戦する それはただの夢だった ただの夢 ただの夢 夢」と直訳されます。
いろいろ試みたが、結局は思いが届くことはないと認め、これは儚い夢だったんだと諦めている様子という解釈をしました。
2024年のインタビューで、マイケルは「歌詞のインスピレーションは覚えていないよ。ただ、元々の歌詞は『僕が台所にいる』ってフレーズだったんだ、『スポットライト』ではなくね。大好きな曲だけど、ヒットするとは想像していなかったよ。」と語っています。
解散後も仲良く揃って姿を見せてはいますが、再結成は今のところないようですね…。
日本語詞を考え、歌ってみました
acocatriがいるアマチュアバンドマン界隈では、洋楽に自身で書いた日本語詞を乗せて、レパートリーとして歌っているミュージシャンが結構います。
そんな訳で今回、前項の和訳やストーリーを基に、自分の解釈で「LOSING MY RELIGION」のメロディに乗る日本語詞を考えて、それを歌ってみました。
もし、この日本語詞を自分もライブで歌いたい!なんて方がいらっしゃったら、是非ご活用頂きたいです!
美しい日々を呑み込んだ
君を近くで見つめて
人生を重ねたい
そんな妄想をした自分を恨んだ
誰も僕を知らない
きっと僕がスターで喧騒まみれなら
初めて出会ったフリして
平気で君を連れ出すだろう
そんな誇大妄想が僕を狂わせた
愛する君と笑い
愛する君と歌う
僕の世界の光景さ
言葉にして毎日ささやく愛
一瞬も君を脳裏から離さない
分かっているよ、異常だって
正直に言い過ぎたね
迷惑かな?
きっと僕は気付いていて
それでも苦しんでみた
僕は僕に深く打ちのめされた事を
こんな幻想を続けたって傷が深まるだけ
だけど
愛する君と笑い
愛する君と歌う
僕の世界を変えられない
そんな夢を見た
長い時間をかけて
誰も僕を知らない
きっと僕がスターで喧騒まみれなら
初めて出会ったフリして
平気で君を連れ出すだろう
そんな妄想が僕を狂わせた
愛する君と笑い
愛する君と歌う
僕の世界は終了した
夢と認めた
声と涙
叶うはずのない
僕の恋 僕の夢、君
まとめ
いかがだったでしょうか?イマイチ内容が理解出来ない洋楽の歌詞も、意味の繋がる解釈を取り入れストーリーを構築する事で、脈絡のある和訳が成立する事を、ご実感頂けたのではないでしょうか。
ストーリーを踏まえて書いた日本語詞も、和訳と読み比べてみると面白いですよ。是非やってみて下さい!
acocatri(アコカトリ)の音源があります。
歌詞に関して、このような解釈をする人間が、自分の音楽の中でどんな歌詞を書いているのか、是非、聴いてみて下さい!
音楽配信サービスのサイトはこちら
2ndミニアルバム「真鼓動」
https://linkco.re/SSGAf99a
1stミニアルバム「世界」
https://linkco.re/TRfAUYQ0
YouTubeでも視聴出来ます
「真鼓動」
「世界」