【歌詞と和訳と日本語詞】UNDER THE CHERRY MOON/PRINCE

プリンス(Prince) アンダー ザ チェリー ムーン(Under The Cherry Moon)

1986年に公開された、プリンスの主演2作目にして初監督の映画「Under the CHERRY MOON」のタイトルチューンで、この映画のサウンドトラックとされている「PARADE」に収録。

映画に関しては、ファンの間ですら「迷作」と呼ばれ、第7回ラジー賞にて「最低作品賞」「最低男優賞」等々を多数受賞してしまう散々な結果となってしまいました。
しかし、「PARADE」自体の内容は素晴らしく、80年代のベストアルバムに選ぶ評論家もいる程、評価の高い作品です。

それでは早速、独自に深読み・構築したストーリーを基にした、和訳と日本語詞をご紹介します!

歌詞と和訳

歌詞の解釈に関しては次項で行いますので、まずは歌詞と和訳をご覧ください。

How can I stand to stay where I am?
僕がこの場に留まれる方法なんてあるのだろうか
Poor butterfly who don’t understand
理解が出来ない哀れな蝶だ
Why can’t I fly away in a special sky?
なぜ僕は特別な空に飛び去れないのだろう
If I don’t find my destiny soon
もし僕が自分の運命をすぐに見つけられないのなら

I’ll die in your arms under the cherry moon
桜の月の下、君の腕の中で死ぬんだろう

I want to live life to the ultimate high
僕は究極の高みまで人生を生き抜きたい
Maybe I’ll die young like heroes die
おそらく英雄の死のように若くして死ぬのだろう
Maybe I’ll kiss you some wild special way
おそらく狂おしく特別なやり方で君にキスするのだろう
If nobody kills me or thrills me soon
もし誰も僕をすぐに殺したり興奮させたりしないのなら

I’ll die in your arms under the cherry moon
桜の月の下、君の腕の中で死ぬんだろう

If that’s alright
もしそれでいいのなら

Lovers like us dear are born to die
僕達のような親愛なる恋人達は、死ぬために生まれた
If they don’t find us what will we do?
もし彼らが僕達を見つけなかったら、僕たちはどうするんだろう

I guess we’ll make love under the cherry moon
僕は桜の月の下で愛し合うんだと思っているよ
I’ll die in your arms under the cherry moon
桜の月の下、君の腕の中で死ぬんだろう

和訳解説~歌詞の深読みとストーリー

映画が散々だったせいか、プリンス自身の「PARADE」への評価はかなり低かったそうです。
そのせいか、アルバムや楽曲の事を語った文献が「『KISS』以外は特に評価するものはない」というものしか見当たりませんでした。
もともと滅多にインタビューを受けなかったプリンスが、映画を酷評した世間に対して行った、精一杯の皮肉発言なのかもしれませんね。

※このサイトでは、脈絡を持った和訳となるように、歌詞の裏にある意図を深読みし、ストーリーを構築させる事も目的としています。

まずは、ストーリー構築のポイントとなった、英語詞と日本語訳を解説していきます。

How can I stand to stay where I am?~I’ll die in your arms under the cherry moon→「どうして私はここに留まっていられるのだろうか 理解できない哀れな蝶よ なぜ私は特別な空へ飛び立てないのか もし私が自分の運命を見つけられなければ 桜の月の下、私はあなたの腕の中で死ぬだろう」と直訳されます。
前半は、理想と現実のギャップや、理想を追い求めた一歩を踏み出せない自分の中の葛藤を、飛べない蝶に例えたものと捉えました。
後半は、そんな自分が、自分の進むべき運命を見つけられなかったら、愛する人と添い遂げるまでで、それも悪くない人生の終わり方だ、という表現だと解釈しました。

I want to live life to the ultimate high~I’ll die in your arms under the cherry moon→「私は究極の高みまで人生を生きたい もしかしたら英雄の死のように若くして死ぬかもしれない もしかしたら特別な激しい方法で君にキスするかもしれない もし誰もすぐに私を殺したり興奮させたりしなければ 桜の月の下、私はあなたの腕の中で死ぬだろう」と直訳されます。
前段で理想を求めていた主人公が、究極の理想の人生を手に入れた際に起こる例を想像している、と捉えました。
理想の英雄になれれば、過去の英雄のように自分も早死にするかもしれないし、理想のパートナーと出会えたら、自分にしか出来ない極端な愛情表現をするかもしれない。しかし、そのどちらも叶わなければ、結局愛する人と添い遂げるまでだ、という表現だと解釈しました。

If that’s alright~I guess we’ll make love under the cherry moon→「もしそれでいいなら 親愛なる私達のような恋人達は死ぬために生まれた もし彼らが私達を見つけられなかったら、私達は何をするだろう きっと私達は桜の月の下で愛し合うのだろう」と直訳されます。
前段での表現を、それで良いならと確認した上で、生まれた意味を「愛し合う相手と添い遂げる事」として、そんな自分達の存在を誰にも知られず、誰にも認められなかったとしても、気にせず自分達の世界の中で愛し合うだけだ、という表現だと解釈しました。

歌詞全体を読んでみると、あれこれ自分の理想や、夢の実現に踏み出せない葛藤を言ってはいますが、結局は語るのみで行動には至っていないように感じます。
そんな風に、理想ばかりを語る「普通の自分」を、何も言わずに見守ってくれている相手がいてくれる事・その相手と添い遂げる事が出来た時こそが、究極の「理想の自分」になる瞬間なんだ、という事をプリンスは言いたかったのかな、なんて想像しています。
何だで、身近にある愛情がいちばん大切なんだよ、って事でしょうか。

日本語詞を考え、歌ってみました

acocatriがいるアマチュアバンドマン界隈では、洋楽に自身で書いた日本語詞を乗せて、レパートリーとして歌っているミュージシャンが結構います。

そんな訳で今回、前項の和訳やストーリーを基に、自分の解釈で「UNDER THE CHERRY MOON」のメロディに乗る日本語詞を考えて、それを歌ってみました。

もし、この日本語詞を自分もライブで歌いたい!なんて方がいらっしゃったら、是非ご活用頂きたいです!

その蜜を捨てられない
花にとまったアゲハ蝶
神の遣いが羽ばたく術は
蜜より特別な運命と知り

桜は咲き月は満ちていく

考え得る究極の人生とは
短すぎる英雄の生涯
手に入れた狂おしい愛
死ぬ事も狂気も手に入らないなら

桜は散り月は欠けていく

僕の生涯は君とある
誰も居なくていいから
桜をベッドに月を眺めよう

そのまま僕は君と朽ちていく

まとめ

いかがだったでしょうか?イマイチ内容が理解出来ない洋楽の歌詞も、意味の繋がる解釈を取り入れストーリーを構築する事で、脈絡のある和訳が成立する事を、ご実感頂けたのではないでしょうか。

ストーリーを踏まえて書いた日本語詞も、和訳と読み比べてみると面白いですよ。是非やってみて下さい!

acocatri(アコカトリ)の音源があります。
歌詞に関して、このような解釈をする人間が、自分の音楽の中でどんな歌詞を書いているのか、是非、聴いてみて下さい!

音楽配信サービスのサイトはこちら

2ndミニアルバム「真鼓動」
https://linkco.re/SSGAf99a

1stミニアルバム「世界」
https://linkco.re/TRfAUYQ0

YouTubeでも視聴出来ます

「真鼓動」

「世界」

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