【歌詞と和訳と日本語詞】Zombie/the cranberries

ザ・クランベリーズ(The Cranberries) ゾンビ(Zombie)

1994年9月、2枚目のスタジオアルバム「no need to argue」(1994)のリードシングルとしてリリース。
米国ビルボード・オルタナティブ・エアプレイチャートで1位になった他、オーストラリア・ベルギー・フランスなど各国のチャートで1位を獲得。
1995年のMTVヨーロッパ・ミュージック・アワードでは最優秀楽曲賞を受賞。
2020年4月には、アイルランドのグループの楽曲で、初めてYouTube10億回再生を突破した楽曲となりました。

それでは早速、独自に深読み・構築したストーリーを基にした、和訳と日本語詞をご紹介します!

歌詞と和訳

歌詞の解釈に関しては次項で行いますので、まずは歌詞と和訳をご覧ください。

Another head hangs lowly
もうひとりの頭が垂れ下がる
Child is slowly taken
子供がゆっくりと奪われる
And the violence caused such silence
そして暴力がこんな沈黙を引き起こした
Who are we mistaken?
誰が私達を思い違えたの?

But you see, it’s not me
でも分かるよね それは私じゃないって
It’s not my family
私の家族じゃないって
In your head, in your head
あなたの頭の中で 繰り返し
They are fighting
あの人達が戦っている
With their tanks and their bombs
あの人達の戦車と爆弾を使って
And their bombs and their guns
そしてあの人達の爆弾と銃で
In your head, in your head
あなたの頭の中で 繰り返し
They are crying
あの人達が泣いている

In your head, in your head
あなたの頭の中 その中には
Zombie, zombie, zombie-ie-ie
ゾンビ ゾンビ 無数のゾンビ
What’s in your head, in your head
頭の中に何がいるの その中には
Zombie, zombie, zombie-ie-ie-ie, oh
ゾンビ ゾンビ 無数のゾンビ

Du, du, du, du
Du, du, du, du
Du, du, du, du
Du, du, du, du

Another mother’s breaking heart
また別の母親を 傷ついた心が
is taking over
支配していく
When the violence causes silence
暴力によって沈黙が訪れる時
We must be mistaken
私達は間違いを認めないといけない

It’s the same old theme
それは変わらない古くからのテーマだ
Since 1916
1916年からの
In your head, in your head
あなたの頭の中で 繰り返し
They’re still fighting
あの人達は未だに戦っている
With their tanks and their bombs
あの人達の戦車と爆弾を使って
And their bombs and their guns
そしてあの人達の爆弾と銃で
In your head, in your head
あなたの頭の中で 繰り返し
They are dying
あの人達は葬っている

In your head, in your head
あなたの頭の中 その中には
Zombie, zombie, zombie-ie-ie
ゾンビ ゾンビ 無数のゾンビ
What’s in your head, in your head
頭の中に何がいるの その中には
Zombie, zombie, zombie-ie-ie-ie
ゾンビ ゾンビ 無数のゾンビ

oh-oh-oh-oh-oh-oh-oh
eh-eh-oh, ra-ra

和訳解説~歌詞の深読みとストーリー

1993年3月30日、イギリスのウォリントンのショッピング街で、暫定アイルランド共和軍(IRA)の即席爆発装置がゴミ箱に隠されて爆発し、3歳と12歳の幼い命が奪われ、50人以上の人々が負傷するという、非常に痛ましい事件が発生しました。
その後ドロレス・オリオーダンは、この町を訪れ、この事件を反映した曲を書くことを決意したそうです。
2017年、ドロレスは歌詞についてこう語っています。
「ロンドンで多くの爆弾が爆発し、ある時、ゴミ箱に仕掛けられた爆弾で子供が殺害された事をよく覚えています。それが『子供がゆっくりと連れ去られる』という歌詞になったのです。私たちはツアーバスに乗っていて、事件現場の近くにいたので、本当に強いショックを受けました。
私はまだ若かったのですが、罪のない子供たちがそのような事態に巻き込まれたことに、打ちのめされました。だから『それは私じゃない』と書いたのだと思います。アイルランド人だからといって、私がやったのではないということです。
アイルランド人であることは、特に緊張が高まっていた当時のイギリスではとても大変なことでした。」

この経験によるドロレスの考えや思想が、色濃く反映されている歌詞になっているようですので、今回の和訳は、こういった背景を基に行いました。

※このサイトでは、脈絡を持った和訳となるように、歌詞の裏にある意図を深読みし、ストーリーを構築させる事も目的としています。

まずは、ストーリー構築のポイントとなった、英語詞と日本語訳を解説していきます。

Another head hangs lowly~Who are we mistaken?→「もう一つの頭が垂れ下がる 子供がゆっくりと連れ去られる そして暴力があまりの沈黙を引き起こした 私たちは誰を勘違いしているのか?」と直訳されます。
前述のドロレスの発言から、爆発で子供が瀕死の状態になり、呼びかけに言葉を返す事も出来ず、沈黙の状態に陥ってしまった様子の描写と捉えられます。
最後の一節は、テロ行為はアイルランドの名の下に行われた、と主張するIRAへの怒りを反映していると思われます。

But you see, it’s not me~They are crying→「でも、わかるでしょう、それは私じゃない 私の家族でもない あなたの頭の中で、あなたの頭の中で 彼らは戦っている 彼らの戦車と爆弾で そして彼らの爆弾と銃で あなたの頭の中で、あなたの頭の中で 彼らは泣いている」と直訳されます。
このくだりに関してドロレスは、「IRAが私ではないし、私はIRAではありません。クランベリーズもIRAではありません。私の家族も違います。曲中で『It’s not me, it’s not my family』と言っているのは、私が言っていることです。IRAはアイルランドではなく、過去に生きている愚か者たちです。」と語っています。
これに鑑みて、アイルランド人は争いを起こさない事・IRAは先人が戦っているイメージを未だ頭に巡らせ、暴力を正当化する理由にしている事・その古い思考に対し先人は泣いているはず、という事を表現していると捉えました。

Another mother’s breaking heart~We must be mistaken→「もう一人の母親の傷ついている心が支配していく 暴力が沈黙を引き起こすとき 私たちは間違っているに違いない」と直訳されます。
子供を失った母親の心情や、悲壮感漂う沈黙の状態を引き起こすなんて絶対に間違っている、という怒りの心情を表現していると捉えました。

It’s the same old theme~They’re still fighting→「それは1916年から同じ、古いテーマ あなたの頭の中で、あなたの頭の中で 彼らはまだ戦っている」と直訳されます。
1916年はアイルランドのイースター蜂起の年を指していて、その時から続く北アイルランド紛争が、本質的に変わっていないことを指摘していると思われます。
そしてIRAの頭の中では、未だその戦いが正当化され且つ続いている、という事を表現していると解釈しています。

In your head, in your head~Zombie, zombie, zombie→「あなたの頭の中に あなたの頭の中に ゾンビ ゾンビ ゾンビ 何があなたの頭の中に あなたの頭の中に ゾンビ ゾンビ ゾンビ」と直訳されます。
ドロレスは結局、ゾンビの由来に関しては明かさないままだったようです。
ただ、前段のドロレスの発言から、ブリッジ部分の「They」にあたる、過去に生きている愚か者(=IRA)が、頭の中から根絶させない「古の戦う先人」を、ゾンビと言いたかったのかなと想像しました。

当初、この曲をアルバムのリードシングルにしたいと考えていたバンド側と、レコード会社側の思惑は違っていたようで、「政治的要素が強い」として、シングルリリースしないように強く勧められていたそうです。そこでレコード会社は、別の曲を制作するための費用として、100万ドルの小切手をバンドに渡したのですが、ドロレスはそれを破り捨てたと言われています。
結果、この曲は世界的大ヒットを記録し、クランベリーズの代表曲のひとつとなったのですから、「Zombie」はドロレスの強い意志が生み出したヒット曲だ、と言ってもいいのではないでしょうか。

日本語詞を考え、歌ってみました

acocatriがいるアマチュアバンドマン界隈では、洋楽に自身で書いた日本語詞を乗せて、レパートリーとして歌っているミュージシャンが結構います。

そんな訳で今回、前項の和訳やストーリーを基に、自分の解釈で「Zombie」のメロディに乗る日本語詞を考えて、それを歌ってみました。

もし、この日本語詞を自分もライブで歌いたい!なんて方がいらっしゃったら、是非ご活用頂きたいです!

二度と笑えなくなった
小さい命たち
爆風は沈黙を作り
誤解も作っていく

こんな酷い現状と
沈黙の未来は
国境の先にいる
民のせいと
でもきっと知っている
沈黙した彼らに
多くの民が
涙していると

全ては過去の中でしか
生きていられないゾンビのせい
その姿は民の皮を
被った醜いゾンビそのもの

絶望に支配された
自失の淵で
残された母が
遂に立ち上がっていく

化石と化した
報復の手段を
そんなのは間違いと
認めるべきと
その手は武器を
持つために使うもの
じゃないって事を
知るべきと

全ては過去の中でしか
生きていられないゾンビのせい
その姿は民の皮を
被った醜いゾンビそのものだと

まとめ

いかがだったでしょうか?イマイチ内容が理解出来ない洋楽の歌詞も、意味の繋がる解釈を取り入れストーリーを構築する事で、脈絡のある和訳が成立する事を、ご実感頂けたのではないでしょうか。

ストーリーを踏まえて書いた日本語詞も、和訳と読み比べてみると面白いですよ。是非やってみて下さい!

acocatri(アコカトリ)の音源があります。
歌詞に関して、このような解釈をする人間が、自分の音楽の中でどんな歌詞を書いているのか、是非、聴いてみて下さい!

音楽配信サービスのサイトはこちら

2ndミニアルバム「真鼓動」
https://linkco.re/SSGAf99a

1stミニアルバム「世界」
https://linkco.re/TRfAUYQ0

YouTubeでも視聴出来ます

「真鼓動」

「世界」

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